【徹底比較】英語と中国語どっちを勉強する方が需要があるの??

中国語 学習


語学講師をしていると「中国語と英語どっちが需要がありますか?」とか「中国語と英語のどちらかをマスターしたいと思うのですが、どっちが役に立ちますか?」という質問をよくされます。

仕事柄「中国語です!!」と即答したいところですが、「その方の行きたい分野や環境によって選ぶべき言語は異なる」というのがわたしの持論です。

実はわたし自身、英語圏、中国語圏どちらも中ー長期の留学経験があります。

最終的には中国語関係の仕事に就く事を選びましたが、英語と中国語が出来るとどんなメリットがあり、習得するのはどちらの方が難しいのか、ということをわたしの実体験とそれぞれのプロの方と交流する機会も多いので、彼らから得た情報を交えて紹介させて頂こうと思います。

どちらを本腰を入れて勉強するか悩んでいらっしゃる方は記事を読んだ上で、自分にとってどちらの言語を習得するのがコスパ・労力・需要を照らし合わせた上で判断して頂けたらと思います。

1.英語・中国語を習得すると就職に有利、は本当?

よろしくお願いします 挨拶

学生の方であれば就活に有利な言語を学んでおきたい、社会人の方で転職等を考えている方であれば、将来的に需要がある言語・仕事で使える言語を学んでおきたいというのは当然のことだと思います。

語学を学びたい、という気持ちに水を差すようで申し訳ないのですが、下のグラフ(リクルートキャリアが実行している就活生と採用企業へのアンケートを基にした「就職白書」のデータ)を見ても分かるように、単純な語学力を重視しているのは全体のたった10分の1であることからも

『ただ少し英語・中国語が話せる』だけでは就活の武器にはならない

ということが分かると思います。

中国語 就職


では、語学力を生かして仕事や就職に繋げるにはどのようにしたら良いのでしょうか?

それぞれ英語と中国語を生かして仕事をしている人に伺ったお話とわたしの実体験を基に解説します。

POINT⇀ただ少し語学が出来るだけではあまり就活・転職の武器にはならない

2.語学を仕事にする為にはどんな事が求められる?

英語 中国語 どっち

2−A 英語編

まず「英語のみ能力」で仕事をする為には、「少なくともTOELC900点以上の英語力」が求められると言われています。また、英語は語学を学んでいる母体の人口が多い為、スキル・実績の欠ける若い方にチャンスの順番が回ってくる可能性はあまり高くないと言えるでしょう。

また、英語を教える仕事を考えた場合、元々基礎的な事は義務教育で学んで来られる生徒さんが多いため、文法事項の解説よりも実際の会話能力を鍛える事が出来るネイティブの先生が好まれます。実際にオンラインでの指導も盛んで、日本よりも雇用にかかる単価が安いフィリピン人(母語が英語)の先生が沢山活躍されています。

実際に英語関係の仕事をしている方々の話によると、
①語学だけではなく特定の分野において専門性がある(特に法学・医療・教育は需要が高い)
②ネイティブ顔負けの発音・アナウンス技術がある
③日本語ネイティブの強みを活かせる業務内容・企業である

といった追加のスキルがあれば、語学学習の中でもマーケットは一番大きい分野であるため需要はあるが、ただ留学経験があって英語力が話せる日本語ネイティブというだけだと仕事が見つかりにくいのでは、ということでした。

また、「英語力」を仕事の中で生かすという方面では、英語の試験のスコアや会話力があることで海外で働く機会が得られやすくなるという側面は実際にあるかと思います。ただ、英語が話せる母体はかなり多く、欧州に留学経験のある帰国子女の中にはネイティブ並みの語学力をお持ちの方もいらっしゃいます。そのため、機会を得る為に必要とする労力はかなり大きいと言えます。

世界で最も使われている英語が話せるという事は翻訳無しで、非常に多くの情報に触れる事を可能にするという大きなメリットもある一方で、「仕事で使う」ということを考えるとかなり敷居が高いのが現実です。
ただ欧米圏で生活・仕事していく場合は、『会話が出来るのが当たり前』というていで話が進んでいく為、必須スキルであることには代わりが無いと思います。

ちなみに、わたし自身もTOELC700点代後半はあるのですが、英語母語話者の人とも簡単なコミュニケーションが取れたり、英語のニュースを調べながらならそれなりに原文で理解できるぐらいで、金銭的な報酬を得れた記憶はありませんが、中国語圏以外を訪れた際に円滑にコミュニケーションが取れたり、現地のことを英語で教えて貰えたり、『言葉が通じない不便さ』を軽減してくれるツールとしては重宝しています。

POINT⇀英語力だけで仕事を得る為には専門性が必須 
    出来ると便利だが競合が多くチャンスを掴み取るにはかなりの努力が必要

POINT⇀英語力だけで仕事を得る為には専門性が必須 
    出来ると便利だが競合が多くチャンスを掴み取るにはかなりの努力が必要

2-B  中国語編


まず、「中国語のみの能力」で仕事をする為には個人的にはHSK6級(中国語の国際標準の試験での最高級)で高めのスコアを所持している事は必須事項と考えていますが、日本語ネイティブで中国語が話せる人材が英語より圧倒的に少ない為、会社や部署によってはそれよりも低い語学能力でも優先して仕事を振ってもらえる事があるようです。

また留学の奨学金(返済不要のもの)が与えられる基準も英語より易しく、学位が出る大学での4年間の留学を想定しても文系の国立大学でHSK4級(6級よりも易しい試験)180点程度から申請出来る大学が多いです。

私自身、大学の学部生である時にHSK6級242点(300点満点)、医療通訳等の資格を所持していた事、中国のテレビ局で働いた経験があった事もあり、在学時から法人様のお仕事を依頼頂いたり、通訳やガイドとして声をかけて頂く機会がございました。
正直、在学時は社会経験や通訳の経験、専門知識が不足していてご迷惑をお掛けする事もあったように記憶しておりますが、「日本語ネイティブで中国語が流暢に話せる」という人材はまだ希少性があり、英語と比べると競争相手が少ないように思います。

因みに、中国語母語話者で日本語が出来る人材は確かに多いので、そういった方々が語学を生かして日本で仕事をするためには、特に日本社会で求められるマナーや考え方に順応できるかと言うことが求められます。

日系企業では中国語が話せる日本語ネイティブを優先的に採用する企業がまだ多く見られますが、中国からの留学生が年々増え続けるにつれて、中国語母語話者で日本語の流暢な人材も着実に増えてきているため、英語と同じく『何らかの専門性』+中国語 を自分のウリに出来るのが一番だと思われますが、需要が供給を上回っている状態なので、チャンスはあると考えて良いと思います。

また、中国で仕事をする事を考えた場合でも、他の外国人と比べて、漢字の基礎がある日本人と韓国人の中国語の習得速度は欧米の方々よりもずっと早いため、(欧米の人は赤ちゃんが語学を学ぶのに対して、日本人、韓国人は発音さえきちんとマスターできれば、中国語と自国の漢字の使い方が異なる部分のルールさえ覚えれば、応用して使う事が出来るため)上級者になればなるほど差がつきます。

「日本の接客技術」や「工業・科学技術」「医療技術」「漫画・アニメ等の製作技術」は中国でも非常に評価されているため、そういった技術を中国語で中国人に指導する事が出来るような人材であれば、より需要があると考えられます。

また、中国人は皆さんが思っている程日本人を嫌っていると言うこともなく、特に中国語を話せる外国人に対しては非常に友好的で、エンタメ部門で活躍している日本人の方も多くいらっしゃいます。

また華僑の方は世界中にいらっしゃる事もあり、英語より万能性に欠けるもののアジア人っぽい人に中国語で話しかけると案外通じる事が多いです。また中国は国家として発展途上国に多くの資金を投資しているため、発展途上国で仕事をしたいと考えているのであれば、中国語が話せる事は大きな強みとなります。特に東南アジア圏(特にシンガポール、マレーシア)では英語よりも伝わる事も往々にしてあります。

一つだけ欠点を挙げるとすれば、英語は多少発音が悪くても伝わりますが、中国語は発音が悪いと、本当に通じないため、仕事になりません。また、文字の入力の際にもピンインという日本語でいうひらがなのようなものを用いて入力するため、発音がわからないとパソコン入力ができません。そのため、独学が難しい言語であると言えます。

POINT⇀英語に比べると留学や語学を仕事とする為のハードルが低い
    中国語が出来る日本語ネイティブは日中両国で需要がある
    発音が難しく一人で勉強するのはやや難しい

3.英語を学ぶか中国語を学ぶか選ぶ上でのPOINT

2で英語と中国語を学ぶとどんなメリットがあるのか、仕事に活かすにはどれぐらいのレベルが必要なのか、と言う解説をしましたが、どっちを勉強するか選択する際にチェックするPOINTを2つ紹介します。


①今の英語のレベルがどれぐらいかをチェックする

英語は義務教育で基本的な文法事項や読解力を学ぶため、社会人の皆さんでこの基礎的な能力で他の方と大きく差がついている場合、巻き返すには相当の時間を必要とします。(出来ないことはありません。)

基準としては、TOELC600点以上あるのであれば、ビジネス英語を学ぶ上での基礎的な文法力・聞き取り能力があると考えて良いので、英語で頑張ってみる!というのもアリだと思います。

逆に『英語の読解も聞き取りも殆ど出来ないけれど、0から頑張って語学を仕事で生かすんだ!!!』と考えるのであれば、断然中国語をお勧めします。理由は次の3つです。

A 中国語の文法はロジック性が高い(文法の例外が少ない)

社会人になってから外国語を新しく勉強する場合、すでに耳だけで覚えられる幼少期の年齢を過ぎている為、外国語の文法つまり、その言葉の法則性(ロジック性)を勉強してそのルールに基づいて記憶する事が語学を習得することの近道となります。

日本語は、四月を「し」がつと読み、四日を「よっ」かと読みますが、なぜ読み分けるのか、どう言う時に読み分けるのかきちんとした法則はありません。外国人が日本語をなかなか流暢に話せないのはこの例外の多さが関係しています。ルールが無いので一つずつしらみつぶしに覚える必要があるため、学習難易度が跳ね上がりますが、中国語はその例外が少ない為、文法を正しく理解すれば、殆ど理論で解決する事が可能です。

B 日本語の漢字の知識を応用する事で短期間で飛躍的な学習効果が得られる

C 名詞や動詞の表記の変化が殆ど無い!

英語だと同じ代名詞でも主格、目的格、所有格など形が変化しますよね?
それが中国語では一切ありません!!

また英語では動詞も時制によって形が複雑に変化しますが、
中国語では殆どありません!!※簡単な変化はありますが、不規則変化はありません。

つまり動詞の元の形さえ覚えれば、応用が効くわけです。
これが英語が話せなくても中国語で一発逆転出来る理由です。

②実際にその国にツアー以外の形で1週間以上滞在してみる

これは夏休みなどまとまった時間が作れる学生さんに強くお勧めしている方法ですが、
実際にその国に行ってその国とその国の人達と直に関わってみるというのは非常に有益な事です。

日本にいると、メディアを通してしかその国を見ることが出来ず、中国に偏見を抱いている方も少なく無いと思います。マスメディアの報道は一部の特に話題になりそうな部分にスポットライトを当てて報道するので、どうしても過激な行動を行う少数の人たちに目がいきがちですが、実際には違う言葉を話す同じような人達が、違う国で暮らしているだけで、わたしたちが道に迷う外国人を見て、親切にするのと同じように親切に接してくれる中国の人達が沢山います。

スポットライトが当たらないその国の日常を実際に行って見てみることは、語学をただ教科書で勉強することより、有名な観光名所の写真だけとって帰るツアー旅行よりもよっぽど価値があると思います。

ちなみに私はイタリアに1ヶ月とアメリカに1ヶ月半短期留学をして、時差や、食べ物、そして何より想像していた『フレンドリーで白黒はっきりしたアメリカ人』というのが私の想像上のものであったことに気づいて、案外アメリカ留学は私に合わないかも知れないな、と感じた事が中国留学を考えるきっかけになりました。

ヨーロッパに英語が通じない地域が結構あることも、イタリア語しか話せないのにイタリア語でナンパしてくるおじいちゃんがいることも、スペイン語圏の人達の恋愛観が私たちとかけ離れていること(正式な彼氏彼女になる前のお試し期間があるそうです笑)も実際にその国に行ってみなければ知り得なかった事です。

是非学生のうちにそういった「時間とお金はかかるけど価値のある体験」を積み重ねていってください。
それが一番の就活対策になります。

4.語学を短期間でマスターするには?

日本の方は『留学に行けば語学が出来るようになる』と想像して理想と現実のギャップに苦しまれる方が非常に多いですが、実際留学で飛躍的に伸びる生徒さんは、日本に居る時に、基本的な文法や発音をマスターして、ある程度コミュニケーションが取れるようになった上で留学されています。